高野連は監督に抗議権を与えるべき
第84回センバツ高校野球は、大阪桐蔭高校がセンバツ初優勝で幕が下りましたが、私には不快な審判員の判定がありました。その不快な審判員の、矛先にあげられるのが日本高野連(日本高等学校野球連盟)であります。大会10日目となる準々決勝で、関東一高x横浜の試合で事が起きた。5回裏一死一・三塁で横浜の攻撃中で1点を追う展開で2番打者がスクイズを慣行したのだ。スクイズは成功し、三塁走者の尾関(三年)が本塁に駆け込んだ。これで同点となり二死二塁の場面となりなおも、得点圏に走者をためた。ところが此処で、守備の関東一高の捕手が球審にアピールし、本塁に生還した走者にアウト宣告。球審は場内マイクを通してこう説明した「三塁走者はホームベースを踏んでいませんのでアウトとします」つまりがルールに定められた、アピールプレーによるアウトである。これに黙っていなかったのは、甲子園通産50勝の横浜 渡辺監督である。猛然と球審に詰め寄ると、数分に渡り抗議したのである。高校野球には監督からの抗議は認められず、主将もしくは伝令に限り抗議が認められると決められている。すなわち渡辺監督は、この日本高野連のルールを破り直接、球審に抗議したことになる。結局、渡辺監督は試合後に大会本部から口頭による注意を受けてしまったのである。其の日、私は甲子園には行っておらず、夕方のニュースでこの事態を知った。百戦錬磨の名将渡辺監督だから、直接審判員に抗議できないことは百も承知のはず。だったら何故、あえて抗議をしたのか。一度、機会があったら渡辺監督に聴きたいと思っている。
アピールプレーは、野球をご存知の方だったら知っていると思いますが守備チームの選手が、打った相手チーム野手がベースを確実に踏んだか否か、踏んでいなかったら審判に抗議できるというプレー。高校野球を主催する日本高野連は、高校野球を学習の場と判断している。派手なアクションや、ガッツポーズも好ましくないとする地味な行動に徹するプレーを好むのであって、すなわち教育の一環と考えているからだろう。だったら何故抗議ぐらい、チームを預かる責任者の監督もしくは野球部長では駄目で、主将そして伝令だけに抗議権を認めるのか。私だけではなく、スタンドのファンそしてテレビの前で観戦していらっしゃる人たちの多くは、疑問を持っているに違いない。決勝が行なわれた4月4日、私たちが陣取る甲子園の記者席でも、この話題が論議されていました。クロスプレーでもない三塁走者の尾関選手は、踵(かかと)でホームを踏んでいるのは間違いない。放映されていた画面で確かめても、確かに踵で踏んでいるのに関東一高のアピールプレーがあって、アウトを宣告した球審はアンフェアーだという声が出ていた。一度宣告したジャッジを覆さないのは日本高野連の仕来りで、その影響が大学野球や社会人野球強いては、プロ野球にも及んでいる。教育の一環とする日本高野連の発想は、戦後まもない頃なら未だしも、戦後六十数年経った今でも引き継がれているのは如何にも古い考えである。監督、野球部長はただの引率者とする日本高野連の古い考えはもう辞めて、選手と同じ立場である事を認識すべきであり、大学野球や社会人野球のように監督がマウンドにも行き、コッチャーボックスに立っても良いのではないか!それと、スポーツの勝利に関わる判定は、いまや写真判定だって行なわれるのが常でもある。あの場面でホームへの生還が認められていたら、試合はどうなっていたか知る余地もないが横浜の渡辺監督は、尾関クンが間違いなく踏んだというホームベース騒動を、どのように想っているのだろう。
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